基地ログ!

旅するカッパのチャノマハウス。時々開店、河童バー。

浦島かっぱ、日本を行く18日間(1)緑のパッション 前編

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ガーデニングで一息@日曜日

  早いもので、日本から戻ってから一週間。

この間にしてたこと。

トラック営業3日間(真夜中2時までのゲームバー含む) トラビスのトラックを手伝う。

娘の大学の卒業式。長女は卒業式に出なかったので、大学の卒業式は初めて!わいわい。

デリバリー、新しいスタッフのトレーニング。これがあるんで、朝はいつも通り早い。

もちろん、チャノマハウスの女将業。相変わらず、満室。

と、ずっと忙しくて、動きっぱなし。「お!やっぱ、羽田便、夜中発だけあって、時差ぼけないじゃん!」と、調子に乗ってたら、木曜日あたりから変。「あれ?クラクラする。。。。」時差ぼけは、今回、仕掛けられた爆弾であった。突然、体の中で炸裂。その衝撃が、体内時計を無理やり日本時間に戻し、体の中が日本にワープする。抵抗むなしく、撃沈。

土曜日から三連休でよかった。羽田便時差ぼけ、素直に降伏して、しっかり寝ました、ハイ。

 

 まだ時差ぼけが残ってそうな体を引きずりながら、今日は一日、ガーデニング。

荒れ放題でも、ネギやトマトは元気で、今日はトマトでパスタ作った。旨し。

以前、日本によく行ってた時、住んでたアパートの通路に作ってたハーブガーデンを何度も枯らされた経験から、あまり期待はしていなかった。>お留守番のダー。が、このチャノマハウスに越してきてから、一緒にガーデニングをしてきたおかげか、思ったほど、悲惨なことにはなってなくて、安心。まあ、草ぼうぼうくらいはいいや。

 何と言っても、一番嬉しかったのは、パッションフルーツの豊作ぶり。去年までフェンスを占領していた、食べられない、実の小さいのが、夏の真っ盛りに枯れて、後から植えたちゃんと食べられる実のつく種類の方が、ぐんぐん広がって、私の留守の間に、すごい数の実がついてる。去年は、確か、3つくらいしか実らなくて、それも、食べ方とかタイミングがわからずに、2つは、そのままコンポースト行きになったような。

 他にも、かぼちゃ&その仲間(ひょうたんとか、種類のわからない瓜とか)が、おそらく、捨てた種から発芽して、日本に行く前には影も形もなかったのに、帰ってきたら、なんと、ほとんど食べられるサイズにまで成長している。ホントに、18日しか行ってなかったのか、ぢぶん?

 18日。

 実は、その18日の経験を、まだ消化しきれずにいる。

 この旅で、自分の中の時間の概念は、天地がひっくり返るくらい、変わった。ほぼ毎日のように、20年ぶりとか、四半世紀ぶりとか言う人たちと会ってると、ちょっと人生考えちゃうよ、マジ。

 この感覚は、去年だったか、メキシコの延長家族のひとりが会いにきてくれた時にも味わった。18年前、少年だったククイ、うちの娘のお守りをよくしてくれてた、かっこいい少年が、すっかりおじさんになってる!というショック。ここまで年を取る過程を見逃してしまって残念!という、まるで母親のような感情を、自分の中に見つけて、びっくりした。時の流れを目の当たりにすると、こういう気持ちになるのか。

 それが、18日間の間に、何十回もあったわけで、ショックを通り越して、未知との遭遇レベルともなると、人生の見方も自ずと変わる。

 隣のおばちゃんとおじちゃん、大阪にいた頃に、お世話になった先生など、亡くなっていた人が沢山いた。それは想像できていたのに、いざ、その事実を確かめると、自分の心のどこかで、それを認める前に、ワンクッションおいて、感じないようにする場所を作ってる。人の死を、どう認識するか、そこにどんな意味を持たせるのかも、自分次第なのだとわかっていても、今は、その答えが出せない。

 今回、一番、私がショックだったのは、おそらく、故郷の岩国の変化だと思う。米軍基地の拡張で、ある友人の話によると、施設が完成して、米軍やその家族が岩国に移住してくると、岩国市の人口の10人にひとりは、アメリカ人になると言う。市内の道路も、景色も随分変わって、過去に戻ろうにも、戻れないということを、嫌というほど、見せつけられた。

 その友人と、毎年恒例の基地開放日の前夜、交通規制を始めた基地のゲートに繋がるフォーコーナーの前の飲み屋で、その様子を見ながら、うそぶいた。

 「もう、ここを国際通りにするしかないんじゃないの?」

まんざら、冗談でもない。

 

 人の死、時の流れ、そして、いくつもの過去に向き合う度に発見する、自分自身の変化。

 それらひとつひとつが、あるメッセージとなって、心を覆いはじめる。そこに耳を傾ける前に、もっと足場を固めよう。一端、心を開くと、まるで、それは鉄砲水のように、なだれ込んでくるに違いない。BE READY....

 

 もう戻ってきて、一週間になるのに、私は、まだ準備できてない。

だから、こうして、書いてるのかも知れない。自分の中のパラダイムシフトと、日本滞在中に集めたエネルギーを受け止めるために。

 

                                         後編につづく。